フルートのレッスンでは、各フルーティストが悩んで獲得した方法を教えてくれますが
フルートが上手に吹けるようになる方法は一通りではありません。
先生ごとに矛盾することがあってもおかしいことはありません。
心構えをしておきましょう。
- 右手親指
- アンブシュア(口の形)
- 頭部管のみの練習
- チューニングの厳密さ
- 立って吹く、座って吹く
- 指の練習はなるべく速く
- ロングトーンはいつもやりなさい
先生ごとに言うことが違う
フル屋です。
フルートのレッスンの最終目標は、フルートで素晴らしい音楽を奏でることです。
そこに至る道が複数あって、様々な流派が存在することはある意味当たり前です。
それぞれを尊重するのが正しいと思いますが、完全に矛盾することを言われたときはびっくりすると思います。
変なリアクションをしないように、先生ごとに異なるかもしれないことをあらかじめ知っておきましょう。
- 右手親指
- アンブシュア(口の形)
- 頭部管のみの練習
- チューニングの厳密さ
- 立って吹く、座って吹く
- 指の練習はなるべく速く
- ロングトーンはいつもやりなさい
右手親指
右手親指はどうしろと教わりましたか?明確に2つの流派があります。
- 横から押す
- 下から支える
また、位置的に
- 人差し指の下より左側
- 人差し指の下
- 人差し指の下より右側
の3つがあります。
右手親指の位置は、最初に習った先生がどれを採用しているかによって決まります。
変えろと言われても無理と思います。少なくともすぐには。
ちなみにフル屋は「人差し指の下より左側を横から押す派」です。
右手親指については記事を書いています。
>>> フルートの右手親指の位置は?横から押す、下から支える 流派が2つ
アンブシュア(口の形)
口から息を出して楽器の音が鳴ります。したがって口の形は重要です。
大きく分けて二つあります。
- 口の形についてあまり指導しない先生
- 口の形について事細かに言う先生
口の形についてあまり指導しない先生
「歌口を口に近づけて息を出して、あとは勝手に音が鳴るよ」
という先生がいます。フル屋はこう習ったのでこれ以外の教授方法があることを知りませんでした。
乱暴な教え方と思う人もいると思いますが、
先生が歌口の位置を教えてくれて、横で正しい音を吹いてくれたら、音は出るんじゃないかと思います。
推察するに以下のような論理と思います。※フル屋の推測です
唇、口の中、喉の形は人それぞれ。なので、どういう口の形にすべきかは人によって異なる。先生と言えども分からない。合わない口の形を無理やり覚えさせるよりも、普通に呼吸するときの呼気でフルートに息を入れれば音が出る、というのを体験して、後は普通に会話をするようにフルートを吹けばいいんじゃないの?その人にとって合わない口の形だと余計な力が入るから余計下手になるよね。
口の形について事細かに言う先生
フル屋は、アンブシュアとかアパチュアとか発言する先生に会ったことがないので想像です。
トレバーワイの本には、舌がどう動いてタンギングになるか、の説明があります。正確には「トゥ」と発音するんじゃないんだよ、唇、口、舌の形はこうするのがいいんです、というのはあるかと思います。
他の教本にも口の形の言及があります。したがって、フルートの先生で口の形を指導するのは普通のことかもしれません。
あるいは、唇の形、口の形を見て個人差による指導をしてくれるかもしれません。
頭部管のみの練習
次は頭部管です。何のこと?と思いますよね。
頭部管のことなんか気にしない、自由にしてくれという先生が多いと思いますが、以下のような方もいらっしゃいます。
- 頭部管の練習を重視
- 頭部管の練習を認めない
頭部管の練習を重視
頭部管だけで練習することを重視する先生がいます。レッスン数回が頭部管だけだった、という逸話を耳にすることもあります。
私には想像がつきません、そんなレッスンされたら1回目が終わったときにお断りすると思います。
頭部管の練習を認めない
人前で頭部管だけで吹くことはありません(普通は)。
そもそも頭部管で音を出すのと、フルート全体を組み立てて音が出すのは異なります。
姿勢が違うし、呼吸が違うし、指の位置も違うし、、、、
なので「頭部管の練習は百害あって一利なし!!!」
と言う先生がいるという噂を聞きます。
音出しに頭部管で吹くのさえやってはいけない、とさえ言われるそうです。
チューニングの厳密さ
チューナー、これも議論のまとです。それぞれの流派で相いれない主張が繰り返されます。
極端に言うと、
- チューナーの針がぴたりと真ん中にくるのを練習しなさい派
- チューナーの針なんか信じるな耳を鍛えろ派
がいます。
チューナーの針がぴたりと真ん中にくるのを練習しなさい派
中学校や高校で吹奏楽を始めた人はチューナーの針に合わせろと言われた人が多数と思います。
学校の吹奏楽、オケではチューナーを見ながら練習しなさいという人が多いです。
フルートの先生の中には、チューナーを見せて、この音は高いでしょ、と言う人もいます。
中音A(とか中音B)を合わせても、他の音は合いません。特に高音域は意識しないと正しい音程は出ません、全ての音を正しい音程で吹いてください。という論理でしょうか。
チューナーのお薦めは以下をどうぞ。
>>> 【メトロノーム、チューナー】フルート吹きにおすすめ6選
チューナーの針なんか信じるな耳を鍛えろ派
デジタルな世代からすると嫌かもしれませんね。でも、こちらが多数派です。
以下のような理由があります。
- 合奏中にピッチが変わっていく
- 隣と合わせるという技術が必要
- フルートはぴったりより少しだけ高い方が合っている感じがする
合奏中にピッチが変わっていく
楽器が温まるとピッチは変わっていきます。
特に本番でテンションが上がると音程が上がる、という現象はよく起きます。
楽団全体でピッチが上がっていったとき、一人チューナー通り吹くことは許されません。
周りに合わせましょう。
隣と合わせるという技術が必要
チューナーを見て音を合わせるという技術より、横で吹いている人に合わせるという技術の方が重要です。
ピアノ伴奏に音を合わせる、吹奏楽ではチューバやバリトンサックスの音に合わせる
などの技術の方がずっと重要です。
フルートはぴったりより少しだけ高い方が合っている感じがする
本当かな??これが本当だったらチューナーの音合わせは完全な無駄ですよね。
「低いと合っていないのがすぐに分かるけど高いのは分かりづらい」
「少しだけ高いと煌びやかに聴こえることがある」
の合わせ技なんでしょうか。
謎です。真偽は分かりません。
でも、指揮者が「もっと大きい音で」とフルートに言うとき(指揮者がフルートという楽器の特性を全く理解していない時)、少しだけ高くしてみるというのはいいかもしれません。
立って吹く、座って吹く
「練習するときは常に立って吹きなさい」
という先生がいます。立った姿勢の方が体を自由に動かせるという考え方です。(といいつつ、先生はレッスンでは座って教えていることがありますが)
下記の本で体の使い方を学んでみるのはいかがでしょうか。
>>> 【フルート吹きの体の使い方】アレキサンダーテクニック紹介
座って吹くことを推奨する先生はあまりいませんが、合奏では座って吹くので、座って吹くのが絶対ダメということはないと思います。
指の練習はなるべく速く
タファネル&ゴーベールなどの指の練習、どのくらいの速度でやりますか?
「音楽的な表現を十分にできる速度」という先生と「なるべく速く」という先生がいます。
多分、両者とも同じことを言っていて、
「音楽的な表現を十分にできる速度でなるべく速く」
というのが正しいと思われます。
>>> 【タファネル&ゴーベール】フルート基礎練習の定番 レビュー
ロングトーンはいつもやりなさい
吹奏楽の練習では、ロングトーンから始まります。
常に音出しはロングトーンから始まると思っていましたが、そうでもないようです。
ロングトーンをウォーミングアップに
例えばソノリテの1番を毎日最初にやりなさいというものです。
いちばん多いです。
ロングトーンによって口や体を整えてフルートの練習を始める、儀式みたいなものです。
ロングトーンは指の練習の後に
ロングトーンはよい音を出す練習です。
吹き初めの音が出ない時ではなくて、体も温まったいちばんいい音が出る時にやりましょう。
そうすることで耳が鍛えられます。よい音に敏感になることができます。よい音を得られます。
ロングトーンは別にやらなくていい
初心者の頃はロングトーンの練習は効果的で、確かに毎日やるべきですが、
ある程度吹けるようになったら、ロングトーンはやらなくていいです。
むしろ、いろいろやることがあるんですから、他の事をやってください。
例えば「24」をゆっくり吹く練習をすればロングトーンをやったことになりますよ。
>>> 【珠玉のフルート教則本】 モイーズ 24の旋律的小練習曲
まとめ
先生によって言うことが違うことを集めてみました。
複数の先生に習う人は気を付けてくださいね。
レッスンについてのまとめは以下です。
>>> 【フルートのレッスンに行こう】初心者からプロまで、上手くなる方法
フルートについて他に気になることがあれば以下をお願いします。
コメント