テオバルト・ベームはフルートという楽器をほぼ現在の状態にしました。
フルートの進化はベームによって突然起こり完成形となったのです。
ベーム
テオバルト・ベーム(1794-1881)は、優れたフルート奏者かつ作曲家です。
そして、フルートを現代化した功績が大きく、後世にまで語り継がれています。音楽家として一流、技術者としては天才です。
フルート専門店のテオバルトの店名はテオバルト・ベームから採られています。
ベーム式フルート
そもそも横笛のフルートはリコーダーのような感じでした。
音程は悪く音量が小さい楽器で、正確な音程で大音量の他の楽器たちに比べると見劣りがしていたと思われます。
バロック、古典派、ロマン派の時代を下るに従って、フルートの形は少しずつ変化しますが鍵が1個~数個ついただけであまり代わり映えがしないものでした。
まず、音程が悪い理由は、出したい音の数に比べて人の指の数が少なく、作りたい穴の位置に指の位置が合わないからです。
次に、音量が小さい理由は、音孔が小さいからです。大きい音を出すには指が小さすぎるということなのです。
ということで、ベームは、指で穴を押さえるのではなく、笛全体にメカニカルなキーシステムを作って「指がキーを押さえる。キーが穴を押さえる」というアイデアを創出します。
アイデアを思い付いた人はそれまで存在した可能性はあります。実際に行動に移し完成させたのがベームという天才です。ベームは数十年かけて研究し1847年特許を取得し「ベーム式フルート」を完成させます。ベームが進化論的パラドクスを起こして完成させたメカニズムの完成度は高く、現代のフルートとほぼ同じ形でした。
したがって、ベームが作成したフルートやその後すぐに作成されたフルートでも、名器として現代のフルート奏者が演奏することができます。
ベーム式フルートは世界中に広がり、単にフルートと言うとベーム式フルートを指すまでになりました。ヨーロッパ、アメリカ、日本を中心に多くのフルートメーカーがあります。
また、他楽器にも応用されクラリネットにもベーム式クラリネットがあり、サクソフォンも同様の思想で作られています。
作曲家として
ベームの生きた時代はロマン派の時代です。フルート的にはビルトゥオーソの時代で、超絶技巧の曲ばかりです。
ベームの曲も技巧的な曲が多数で、現代でも多くの曲が演奏されます。その中でもグランドポロネーズOp.16が有名です。
まとめ
テオバルト・ベームについて紹介しました。
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