タファネル
ポール・タファネル(1844-1908)は、フルート奏者、作曲家であり、優れた教育者でもあります。
パリ音楽院における活躍で、多くの一流のフルーティストを輩出し、多くのフルートの名曲が生まれる素地を作り上げた業績が大きいです。
一流のフルート奏者
16才でパリ音楽院のコンクール(卒業試験)で1位となってプロになります。
以後30年以上にわたって、一流のフルーティストとして活躍します。
1908年死去されているので、さすがに映像、録音は残っていないようです。
作曲家
タファネルは、フルートの名曲を多く残しています。時代的にはロマン派末期です。フルート的にはヴィルトゥオーゾの時代でもあり、技術的な難易度高です。
フレンチコンポーザの一曲「アンダンテパストラールとスケルツォ」です。
他にも、現代でも多くのフルーティストが吹く曲が多数あります。下記は「魔弾の射手によるファンタジー」です。
教育者
1893年にパリ音楽院教授となり、近代フランスがフルートの集積地となる素地を創成します。
フルート名曲の源泉 パリ音楽院卒業試験
タファネルはパリ音楽院の1898年の卒業試験の曲をフォーレに頼みます。この曲はフルート曲の中でも珠玉の名曲として知られています。
フォーレ以後、パリ音楽院の卒業試験の曲は新しい曲を作曲家が作成するという伝統が生まれました。タファネルも前述の「アンダンテパストラールとスケルツォ」を作曲しています。
後世になって、パリ音楽院卒業試験の曲の中で親しまれている曲を集めた曲集が発売されています。
>>> パリ音楽院フルートコンクールの曲からフレンチコンポーザ
パリ音楽院卒のフルーティストたち
パリ音楽院から名曲が毎年のように生まれてくる仕組みを作ると、名フルーティストがどんどん誕生しました。
タファネルの弟子、孫弟子などです。ゴーベール、モイーズ、ランパル、ニコレ、ベネットなど、有名なフルーティストを挙げだすとキリがありません。
21世紀になってもパリ音楽院は名門であることに変わりありません。パリで勉強しようという若者は多数です。
タファネル&ゴーベール
タファネルは弟子のゴーベールと教本を書いています。完全なフルート奏法という本です。ケーラーやアンデルセンほどではありませんが、よく使われる教本の一つです。
この教本の第4部を抜粋したのが「17のメカニズム大練習」になります。こちらはフルート吹きであれば誰もが持っています。
こちらにもレビューを書いています。
>>> 【フルート 指の練習】日々の指の練習 タファネル&ゴーベール どの版を買うか どれを毎日やるか
>>> 【タファネル&ゴーベール】フルート基礎練習の定番 レビュー
まとめ
近代フランスのフルート全盛期の発端であるタファネルについて説明しました。
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