吹奏楽コンクール、市大会、県大会、東関東大会と聴きに行く機会がありました。
純粋に音楽を楽しみましたが、少し考えたことを書いておこうと思います。
※注意:吹奏楽コンクールに対してディスります。提言も行いますが、基本的には批判的な立場からの批判です。吹奏楽コンクールが嫌いな方はご注意ください。
吹奏楽コンクールを聴きました
吹奏楽コンクールを聴きに行ってきました。
長男が中3でサックスをやっていて、市大会、県大会、東関東大会と聴きに行くことができました。
純粋に音楽を楽しみましたが、暇だったのでちょっといろいろと考えてみました。
雑文、お許しください。
吹奏楽コンクールは独特
日本の吹奏楽人口は100万人以上と言われます。統計の一次データを見つけることができませんでしたが、相当数の人が吹奏楽をやっている、やったことがあるのは間違いありません。
フル屋は、中学校、高校と吹奏楽をやっていましたが、吹奏楽コンクールとは無縁でした。部員の数が少なく、指導者も存在せず、吹奏楽コンクールの存在さえよく知りませんでした。
大人になって吹奏楽をやりましたが、コンクールに出るような団体ではなかったので、吹奏楽コンクールとは無縁でした。
時が経ち、大人になり子供ができて、息子が中学校に入りました。吹奏楽コンクールを聴きに行く機会に恵まれました。
市の大会、県の大会、地区の大会と聴きに行くことができて、とても面白かったです。
しかし、ところどころ違和感を感じることがあります。
曲が独特 クラシックの人が知らない
吹奏楽コンクールは曲の自由度が低いです。
以下のような感想は合ってますよね?
- 吹奏楽コンクールの曲を書く作曲家が固定されている
- 曲の長さは数分、コンクールで収まる長さで不自然
- 中高生が吹ける適度な難易度
- ポップスのようなメロディ、映画音楽のような特徴のない音楽
- 中二病的なタイトル
- 不自然なソロ
もちろん、なかには「いい曲だなぁ」と思う曲もありますが、数か月にわたって微に入り細に入り練習するほどの曲は少ないです。
最も問題だと思うのは、吹奏楽でない音楽関係の人が吹奏楽の曲をほとんど知らないことです。
オケの人は吹奏楽の曲の存在を知りません。むしろ、ジャズやポップスの曲の方をよく知っています。
中には、クラシックやポップスの曲を独自に編曲し、コンクールに挑戦している野心的な学校もありました。
こういう学校には手放しで拍手を送りたいです。
個の実力が低い
中高生の楽器演奏技術が低いのは当たり前です。
楽器を始めて数年では、天賦の才に恵まれた天才以外は個の実力が低いのは当然です。
ただ、個の実力を伸ばす練習していないよね?と思います。
次の「縦をそろえる練習」の方がメインですよね。
プロの吹奏楽、プロのオーケストラは個の力がずば抜けている人たちです。
そういう演奏を真似しに行っていない、というのを肌で感じました。
何を目標に楽器を吹いているんでしょうか?
縦を揃えるのはそんなに重要?
個人レッスンは何年も受け、練習曲やソロ曲を何曲もやったことがあれば、つまり個の力があれば、縦を合わせるのは比較的容易です。
あるいは、リズムを合わせる練習、指を確認する練習と言うのは不要であることがほとんどです。
しかし、個の力が低いと縦は揃いません。揃わないはずですが、あまりに弱い個の実力なのに異様に揃っている縦の線、何の練習をしてきたんですか?
コンクールで個の力を重視すると各学校が音大に行くレベルの人を重視し、変な感じになるからでしょうか?
コンクールで重視されるのは個人の音楽的実力ではなく、リズムしっかりと揃える、音程を揃えることになっているようです。
何度も同じフレーズを練習し自分のモノにしていくという行為は、音楽の練習としては基本ですが、音楽的な練習ではなくて縦を揃えるだけになっているとしたら勿体ないことです。
「個の力も同時に伸びるように縦もしっかり揃えていく」という練習ならいいですが、揃えるだけの練習は害さえあるかと思います。
お客は身内だけ
聴いている聴衆は演奏している本人たちとその身内だけです。
中高生の大会ですからある程度は仕方ないことです。
子供が頑張って県の大会に出るんだから保護者が見に行ってもいいです。
しかし、上位の大会では一般聴衆がそれなりにいてもいいのではないでしょうか?
野球の甲子園には、保護者以外にも多くの方が見に行きます。
サッカー、ラグビーの全国大会も、保護者でない一般聴衆が一定数含まれています。
しかし、吹奏楽関係者さえ、身内が出演するのでもなければ聴きに行くことさえありません。
フル屋が考える理想的な吹奏楽
フル屋が考える理想的な吹奏楽というのは、
個の力を伸ばすように練習する、その上で合奏し、必要以上に縦を揃える練習をしない。
個の力が上がれば自然と演奏は合うようになります。
本来、指揮者は独裁者ではなく仲裁者であるべきなのですから、いかに教育する立場の指導者であっても、軍隊のように一糸乱れぬ姿を命令するのではないと思うのです。
ただ、こういう指導をしている学校は、すぐに敗退してしまうんですがね。
無料で公開すべき
まず吹奏楽コンクールの全ての演奏をYouTubeなどに無料で公開すべきです。
保護者や出演した生徒は、音質のいい有料版を買ってもらうことにすれば、現在売っているCD, DVDの売り上げはそんなに落ちないと思います。
いや、その売り上げの全てを捨ててでも、無料で公開すべきと思うのです。
「身内でない人」「吹奏楽関係でない人」「クラシック音楽と全く関係ない人」が聴いてくれる音楽にすべきです。
現在は本当の身内しか聴かない音楽になっています。そういうものは、淘汰されてしまうのが自然です。
100万人以上の吹奏楽関係者がいる現在に無料公開を行ってしっかり啓蒙すべきです。
吹奏楽以外の人に聴かれることによって曲のレベルは上がるはずです。最初に言った曲に対する小言はある程度解消されていくと思います。
まとめ
吹奏楽コンクールについて、思ったことをつらつらと書いてきました。
ご不快に思われた方はごめんなさい。
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