【フルート吹きが理解しておくべき物理的な事】

フルートを吹く

フルートに息を吹きこんで音が出ると言うのは物理的な事象であり、フルートに関する何かを説明するときに物理の事を言う事があります。

たまに誤解している人に会うことがあります。しかし、正しく理解しておくと恥をかかずにすみます。

フルート吹きにとっての物理学

フル屋です。

「フルートに息を吹き込んで音が鳴る」という事象は物理的な事象です。

何かを説明するときに物理の事で説明することがあるんですが、たまに明らかな間違いを言っている人がいます。

正しく理解しておきましょう。

フル屋は大学と大学院で数学を勉強していました。論理の間違いには敏感です。社会人としてはソフトウェアエンジニアとして過ごし、数年間、音声認識エンジンを作っていたので、音波に関しては他の方より詳しいと思います。

以下のようなことを説明します。

  • フルートはなぜ音が鳴るかよく分からない
  • 物理的な音量と耳に聴こえる音量はちょっと違う
  • フルートの音は小さい
  • 音の大小と高低は違う
  • 音の響きは何ですか?

フルートはなぜ音が鳴るかよく分からない

フルートでは、歌口に息を吹き込んで管が振動して音が鳴ることは間違いありません。

でも「息を吹き込んでから管が振動する」までのメカニズムがいまいち分かっていないと思います。

私が納得する理論的なものに出会っていない、というのが正しいかもしれませんが、歌口に息を入れるとどうして管が振動するんでしょうね?

音が出ることの物理的な説明が不完全だからだと思います。先生によって言うことがマチマチな事象があります。

低音域と中音域はどう変える?

低音域と中音域は同じ指です。物理的にはどう違いますか?

息のスピードが違う、というのは多分正しいと思います。でも、息のスピードが変わると周波数が大きくなる理屈が分かりませんね。

息のスピードを速くして2倍音を出しているんですが、息の量はほぼ変わらないと思います。喉で絞っていると思うんですが、、、合っているのか分かりません。

喉に力を入れるな、とレッスンで良く言われましたし。

Cisの音程はどうやってとるの?

メーカーによって違うと思いますがCisの音程はとても不安定です。速いパッセージでもCisの音程の悪さを聴き取り、「下手だ」と思う人がいるんですよね~。

「顎を楽にしてゆっくり練習するんだー」と言われますが、難しいです。

もうちょっと理屈を下さい。理屈が分からないと納得できない頭のカタイ人間なもので。

おなかの支えって何?

おなかで支える、という言い方をする人がいます。

私はレッスンで直接言われたことはありませんが、どういう意味ですか?物理的な何かと関係ありますか?

「横隔膜を下げたままにする」「音色を保つ」「音程を保つ」「音量を保つ」「ビブラートをかける」。。どれなのか分かりません。どれでもないのかもしれません。

物理的な音量と耳に聴こえる音量はちょっと違う

物理的な音量の定義は

「音波をスペクトル分解したときの係数の2乗の無限和」

(またはその2乗根、またはその対数、またはその2乗根の対数、またはそれらから定数を引いたもの)

です。ごちゃごちゃルートをとったり対数をとったり定数を引いたりするのをザックリ無視すれば、音量の定義は明快です。

さて、耳に聴こえる音量は物理的な音量とほぼ同じです。

ほぼ同じというところを少し説明します。

まず、人間には可聴域(20Hz~20kHz)というのがあって、低すぎる音(超低周波音)、高すぎる音(超音波)は聞こえません。

つまり、低すぎる音や高すぎる音は物理学的音量がどんなに大きくても聞こえません。

さらに、人間は500Hz~4000Hzをよく聴きとることができるので、物理的音量が小さくても大きく聞こえます。

フルート、ピッコロの音域はほぼここに相当しますので、小さい音量でも人は聞き取ることができます。

フルートの音は小さい

音量というのは、振動させる「もの」の大きさでほぼ決まります。

つまり小さい楽器であるフルート、ピッコロの音量は他の楽器に比べて小さいのは物理的事実であり宿命です。

プロの音を聴くととても大きい音と感じます。多少は音量差がありますが、感じているほどの音量差があるわけではありません。「倍音が豊か」「響きがある」などの影響で大きい音に感じるだけです。

また、フルートは物理的な音量の調節がほぼできません。

したがって、先生によっては、フォルテ、ピアノは強弱記号ではなく発想記号だと思え、と教えます。

  • フォルテ 「雄大に」「豊かな音で」「倍音を多く」
  • ピアノ 「緊張感を高めて」「澄んだ音で」「倍音を小さく」

吹奏楽やオケの指導者の方が「フルート、大きい音で」と指示するとき、大きい音を所望しているわけではありません。おそらく「クリアな音」「倍音が多い音」などが欲しいものと思います。

何が欲しいか訊き返してもいいと思います。フルートで大きい音は出ませんから。

音の大小と高低は違う

時々不安になることがあります。みんな分かっていますよね?

音の大小は音量の話、音の高低は周波数の話です。音響の人で混同する人はいません、フルート関係でも混同する人はいません。(大丈夫ですよね?)

それ以外の人は混同する方がいらっしゃいます。

「音を上げてください」と「ボリュームを上げる」と混同している?

カラオケで言われる時がいちばん微妙で、マイクのボリュームを大きくするのか、キーを変えるのか迷います。

音の響きは何ですか?

「音の響き」は何を意味しているんでしょうか。複数の意味で使っていますよね。おそらく。

音を出した後に何もしなければ、僅かの間ですが管が震えて音がでます。残響と言う言葉がありますしこれを響きと言っている人が大多数と思います。少なくとも私の周りは。

他にも、倍音の豊かさ、音のクリアさ、など、音そのもののよさ、を「響き」と言いう人がいます。

どれであれ、「響き」は物理的な量ではなさそうです。

レッスンなどで「もっと響きを出せ」と言うときは実演が伴うので理解できると思いますが、文章で書くときは難しいですね。

まとめ

フルートに関する物理的なことを思いつくまま説明しました。

理解はしておいた方がよいと思います。

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