当サイトでは楽譜作成ソフトとしてMuseScoreをお薦めしていますが、もうひとつの楽譜作成ソフトLilypondを紹介します。
どうやってもMuseScoreで作成できない楽譜というのは存在しますので、そういうときはLilypondがお薦めです。。それ以外はMuseScoreをお使いください。
Lilypond
フル屋です。
当サイトがお薦めする楽譜作成ソフトはMuseScoreです。
>>> 【フルート奏者のための楽譜作成】MuseScore入門 (ダイジェスト版)
本記事ではもうひとつのOSSで無料の楽譜作成ソフトLilypondを紹介します。
Lilypondのサイトは以下になります。
Lilypondの特徴
Lilypondの名前
Lilypond、百合の池となりますね。どこかの知事さんの名前に似ていますが関係ないようです。
名前の由来がどこにも書いていないですが、開発者に日本人の名前はMasamichi Hosodaさんのみ、翻訳者に数人あるのみですので、日本の政治家の名前に似ているのは偶然と思われます。
とにかく美しく何でもできる
Lilypondの特徴は、楽譜がとてもとても美しいということです。
そして、楽譜に関する限り全てのことができます。
美しい例のページをみてください。
音符が上下に繋がっているような楽譜、グレゴリオ聖歌のような古楽など、MuseScoreをはじめとする他の楽譜作成ソフトで書くには困難と思われる楽譜が、Lilypondで書くことができます。
何の誇張もなく楽譜の事なら何でもできると言っていいです。
とても高いレベルのフリー
Lilypondではとても高いレベルの自由を宣言しています。
- 個人ユースでも企業ユースでも制限ありません
- 機能制限などはありません
- 数年たつと有料、という心配もいりません
- ソースのラインセンスはGPL3です
- GNU作成のソフトと同じ扱いです
MuseScoreのソースのライセンスはGPL3です。
MuseScoreProという有料サービスがあります。こちらはMuseScoreで書かれた楽譜をダウンロードできるというものですので、楽譜を書くのは無料です。しかし、フロントエンドを有料にしていくという未来がないとは言い切れません。
しかし、Lilypondはこのような心配は不要です。GNUのソフトを宣言するというのは、他ソフトにはない安心感があります。
プログラマが作ったプログラマのためのソフト
音楽をやるプログラマが作ったソフトウェアです。
プログラマしかソフトウェアは作れないのですが、Lilypondの場合プログラマ臭がとても強いです。そこら中にプログラマの考え方が見えます。
どいういことかというと、
入力はテキスト、コンパイルして、楽譜を表示
という流れがそうです。「楽譜を作る」という行為が「プログラムソースを作る」という行為になっています。
テキストで記号の羅列を書いていって、コンパイル。おそらくコンパイルエラーが出るので、デバグしてエラーを取り除いて楽譜を表示する。その表示は意図通りか。。。プログラマの日常です。
この時点で、プログラマやITエンジニア以外が手を出すのはとても難しいと思います。学習コストがとても高いソフトということをご覚悟ください。
以下のどれかに当てはまればLilypondをお薦めします。数学や物理の研究者はLaTeXを日常的に書いていると思いますので、MuseScoreよりLilypondの方が親近感があるかもしれません。
- 文章を書くのはMS WordよりLaTeXの人
- プログラマ
- プログラマのような体験をしたい人
- 学習ソフトがいくら高くても習得したい人
- どんなに難しても美しい楽譜を書きたい人
- MuseScoreで「あれやりたいのにできない」を経験している人
- 仕事で楽譜を書く人
楽譜入力はテキスト
テキスト入力のページを見てください。
{
\time 2/4
\clef bass
c4 c g g a a g2
}
という感じで入力します。
timeとかclefで楽譜戦闘の2/4やヘ音記号を書いています。
c4 c g g a a g2
が楽譜です。音名+長さを羅列していきます。長さは前と同じであれば省略可能。
そしてコンパイルを行って、エラーが出なくなるまで修正、表示されたら意図通りか確認する、というのを繰り返してください。
結局お薦めは?
フル屋のお薦めはMuseScoreです。すみません、Lilypondはお薦めしません。
フル屋は大学、大学院は数学科でした。社会人としてはITエンジニアです。プログラムの経験も豊富です。2000年代、楽譜作成ソフトの筍のようにあった頃、Lilypondだけがひとつ抜きんでいて頃に、Lilypondを使って楽譜を作成していました。
時は流れ、Lilypond以外が淘汰されたのも束の間、フル屋は、水が低きに流れるように入力が難しいLilypondはやめて、MuseScoreを使っています。
MuseScoreでは書けそうにない普通でない楽譜を書こうとするときLilypondを使おうと思います。
まとめ
もうひとつの楽譜作成ソフトLilypondを紹介しました。当サイトはMuseScoreがお薦めです。
しかし、ものは試しです。使うのは無料ですので、ダウンロードして楽譜を作成してみませんか。
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