ビブラートというのは音を震わせることです。
バロック時代からビブラートは存在したようですが、20世紀になってから頻繁にビブラートをかけるようになってきました。
ビブラートとは何か、どうやってビブラートをかける練習をするかを説明します。
ビブラートとは何?
ビブラートとは音を出すときに音程または強弱を揺らす技法です。ビブラートによって音楽の表現が高まりますし、ソロの曲ではずっとビブラートをかけている人もいます。フルートをやる人は必ず修得しなければなりません。
ビブラートはいろいろな楽器でかけていますが、他の楽器がどうやってかけているかを知っておいても損はありません。
歌のビブラート
クラシックでもポップスでも演歌でも、声を出し歌う時、ビブラートをかけています。
音程をゆらして表情をつけます。「演歌のこぶし」を聴くと音が揺れているのがはっきりとします。
歌を歌っていれば自然にビブラートがかかる、みたいなことを言う人もいますが、どうなんでしょう?
周りがみんなビブラートをかけているので、それを聴いて真似して歌うと無意識にビブラートをかけている、というくらいと思いますが。。。
弦楽器のビブラート
弦楽器の演奏で、弦に置いた左手を「うにょうにょ」させているのを見たことがありませんか?
弦の左手を「うにょうにょ」させるのがが弦楽器のビブラートです。
下記の動画によると指を動かすのではなくて、腕を動かすらしいです。歌の様に無意識にかける、というのはないですね。しっかりと練習して習得するようです。
他の管楽器のビブラート
それぞれの楽器でどう音を揺らすかが分かれるようです。
サックスは顎を揺らして音程を揺らしてビブラートをかけます。たまにフルートと同じようにお腹でかける人もいます。トロンボーンはスライドをうにょうにょ動かしてかけるみたいです。
今回調べていて知ったんですが、なんと、フルート、サックス以外の管楽器は、ほぼビブラートをかけないそうです。そういえば、クラリネット、トランペットのビブラートなんて聴いたことがありませんでした。
フルートも必ずしもビブラートをかけることが必須ではないのかもしれません。
フルートのビブラート
歌や弦楽器が音程をゆらすのに対して、フルートのビブラートは強弱を揺らします。
フルートでも音程を揺らすと思っている人がいますが違います。強弱が変わることで多少は音程も変化するでしょうが、音程をゆらそうとしている分けではありません。音程を揺らすにはアンブシュアを高速に変化させる必要がありますが、そのようなことはしていないはずです。
ビブラートの練習
ビブラートの練習は、レッスンで先生に直接教えてもらうのがいちばんよいです。何が良いか、何が悪いかは直接の指導以上のものはありません。
と、それを踏まえて、動画でも多くのビブラートの説明があります。その中でもエミリー・バイノン先生の解説がとても分かりやすいので挙げておきます。
最初はゆっくりで4拍に1回お腹でHAと言うから始まって、2拍に1回、1拍に1回、、、1拍に7回と練習します。そして、ソノリテや小さい24を使って実践的に訓練します。
ビブラートのトレーニングとしては、以下の本も有用です。
毎練習のルーティンの中にビブラートを入れましょう。ロングトーンとセットにするとか、音の練習のひとつとして取り入れるのがよいと思います。
バイノン先生や他のプロ奏者も言っていますが、1拍に5回、6回も震わせるとお腹から震えるということではなくなるようです。この状態では喉が震えていることになるかもしれません。
ちりめんビブラート※だめなビブラート
極度に緊張した時に声が震えるときがありませんか?緊張した時のように、音が小刻みに不定期に意図せず音が震えることをちりめんビブラートと呼びます。
独学でフルートを吹けるようになった人、特に吹奏楽出身で先輩にしか吹き方を習わなかった人に、ちりめんビブラートを本当のビブラートと信じてやる人がいました。今ではほぼ見かけないですが。現在では、バイノン先生の動画を筆頭にレッスン動画やよい演奏がが気軽に聴けるので、本物を聴いてそれを真似してください。
歌の世界でも、このようなちりめんビブラートは嫌われるようですので、気を付けましょう。
まとめ
ビブラートについて説明しました。ビブラートの練習、というのを特別にしない人は多いです。
ビブラートを意識して練習してみると、何か気づきがあるかもしれませんよ。
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