「フルートの正しい指使い」という本を紹介します。
フルートの音を出す原理から、指使いに関して解説している本です。
高音域の替え指はとてもたくさん説明してありますので手元に置いておきたい一冊です。
フルートの正しい指使い
フル屋です。
「フルートの正しい指使い」という本があります。
副題は「フルートの指使いのすべてがわかる」とあり、音響学的なフルートの音が出る原理の説明、そして替え指の説明です。
替え指だけを提示して終わるのではなく、理論的な説明がありますのでとても分かりやすいです。
フルートの音が出る原理
理論的なことは気になりますか?それともそんなことはどうでもいいですか?
フル屋は、大学も職場も理科系なので、理論的なこと、原理的なことはとても気になります。
お嫌いな方は、さっと読み流してください。
高校の物理学の授業で習った方も多いと思いますが、管の長さと倍音などは、フルートの運指の議論ではずすことはできません。
基本の低音域
フルートで音を出すとき、まず低音域では以下のように管内の空気が震えているとされます。
左端が口のところ、右端が指を押さえていって、空いているところです。
長さが、長くなると低い音が鳴り、長さが短くなると高い音がなります。
したがって、低い音になるとたくさん指を押さえてキーを塞ぎます。
低音域で一番管が短くなるのはCis(C#)です。
一番管が長くなるのはC足部管で下のC、H足部管で下のHです。
まずは、この辺りの知識を押さえておきましょう。
中音域以上
Cis(C#)より高い中音域、高音域の音はどうするかというと、息のスピードを速くするなどして倍音を出します。
高音域は2倍音では足らず、3倍音、4倍音、、、、を使って音を出します。
例えば、低音の一番低いドからの倍音は以下の通りです。
ハーモニクスの練習というのがありますね。低音ドの指のまま、息のスピードを速くしていって、2倍音、3倍音、、、、、と出せます。
倍音は、出しにくい音もあるので、腹にあたる部分に穴を開ける(何かのキーを押すか離すかすると穴があきます)ということをやります。この穴を「オクターブ孔」と呼びます。
各音においてオクターブ孔を用意するほどフルートに穴は開いてませんので、大体の位置に穴を開けます。
この大体なオクターブ孔が、いくつかの音が出しにくい理由であり、一つの音にいくつもの替え指がある理由でもあります。
つまり、適切な位置にオクターブ孔をあけることができず、どんな方法でもちょっとずれたところにしかオクターブ孔を開けることができない音は出しにくい音となります。
特に、高音域の音は何かの音の倍音として出しますので、替え指の数が飛躍的に多く出てきます。
ということで、この本には、いくつもの替え指が説明してあります。
B(Bb)とFis(F#)の最も正しい指使いは?
本の中の議論をちょっとだけ紹介しましょう。
B(Bb)の最も正しい指使い
さて、B(Bb、シの♭)の正しい運指はどれでしょうか?
普通の運指表には3つ載っています。
- 左手-人差し指、親指 右手-人差し指
- 左手-人差し指、親指ブリチアルディキー
- 左手-人差し指、親指 右手-人差し指Aisレバー
音響的に最も正しいのは、左手-人差し指、親指と押さえて、左手人差し指の隣のキーを押さえることです。
それ以外の穴が塞がるのは余計です。つまり、右手の人差し指の穴を塞ぐのは余計です。
したがって、ブリチアルディキーかAisレバーが最も正しいです。
指使い上、右手人差し指を使うことはあると思いますが、可能であればブリチアルディキーかAisレバーを使いましょう。
Fis(F#)の最も正しい指使い
Bと同様にFisの指で最も正しいのは、左手で全部塞いで、右手の人差し指の左隣を塞ぐことです。
この本には、右手を一個移動するという運指がまじめに書いてあります。
ということで、右手の中指も薬指も余計なんです。これが理解できないとFisの運指がたくさんあるのが分かりません。
中指か薬指か、どちらかというと、穴から遠い薬指の方が正しいでしょう。苦し紛れにリングだけを塞いで穴はあけとく、という運指さえあります。
まとめ
「フルートの正しい指使い」という本を紹介しました。
本のまとめは以下です。
>>> 【フルートに関する本、雑誌】
フルートの他の知識は以下です。
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